加齢黄斑変性症 阪急京都線西院駅シャトルバス約5分 やまだ眼科

【加齢黄斑変性症】 

加齢黄斑変性(AMD: Age-related Macular Degeneration)とは

眼をカメラに例えると網膜はフイルムに相当します。加齢黄斑変性は、その網膜の中心部分にあり、物を見る中心である「黄斑」という部分が変性してしまう病気です。この病気は、主に60歳以上の高齢者に多く見られ、進行すると失明の原因にもなります。

加齢黄斑変性の症状と原因

加齢黄斑変性の主な症状は、中心視野の歪みや暗点の出現、視力低下です。黄斑は、私たちが鮮明に物を見るための重要な部分であり、この部分が変性すると物が歪んで見えたり、黒く抜けて見えたり、視力が低下し、日常生活が難しくなることがあります。原因としては、加齢、喫煙、食生活、紫外線などが挙げられます。

加齢黄斑変性の検査について

  1. 視力検査:初期段階での視力低下を確認する基本的な検査です。
  2. 眼底検査:瞳孔を開いて目の奥を直接観察し、網膜、黄斑部の変化を確認します。瞳孔が元にもどるまで4~5時間、眩しくなったり、見にくくなったりするため、検査を受ける日は車やバイクの運転は避けてください。
  3. OCT(光干渉断層撮影):黄斑部の厚みや形状、新生血管や出血の状態を詳しく調べるための画像診断です。
  4. アムスラーチャート:視野の歪みの有無を調べます。
  5. 眼底写真撮影:網膜の変化や異常を確認するための写真撮影です。
  6. 蛍光眼底造影:特定の薬剤を注射し、網膜の血管の流れや新生血管の状態を確認する検査です。

加齢黄斑変性の分類と経過

加齢黄斑変性は、主に以下の2つのタイプに分けられます。

  1. 萎縮型:黄斑部が徐々に萎縮していきます。進行はゆっくりとしています。多くの場合、初期症状は軽度で、中心視野に小さな歪みや暗い暗点が現れることがあります。
  2. 滲出型:黄斑部に脈絡膜から異常な新生血管が生じてくることが特徴です。脆弱な新生血管から液体成分が漏出したり、血管が破裂することで出血を引き起こし、急激な視力低下を引き起こすことがあります。

加齢黄斑変性の治療について

  1. 抗VEGF薬の硝子体注射:網膜、脈絡膜に形成される異常な新生血管の成長を抑制することを目的としています。治療は、抗VEGF薬を眼球内に直接注射します。この治療により、新生血管を抑制し、病状の進行を遅らせ、視力の低下を抑えることが期待されます。
  2. 光線力学的療法:光に反応する薬物を点滴で投与し、網膜、脈絡膜の新生血管にレーザーを当てることで異常な新生血管を抑制します。

加齢黄斑変性の予防について

  1. サプリメント:ビタミンCやビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、亜鉛などのミネラル、オメガ3脂肪酸などを含むサプリメントを摂取することで、病気のリスクを軽減させることが期待されます。
  2. 健康的な食事:ビタミンCやEを豊富に含む食品、オメガ3脂肪酸を含む魚などの健康的な食事を摂取することで、病気のリスクを低減することができます。また、抗酸化物質を多く含む緑黄色野菜や赤い果物も推奨されます。
  3. 禁煙:喫煙は加齢黄斑変性症のリスクを高める要因の一つです。禁煙することで、病気のリスクを軽減させることができます。

まとめ

加齢黄斑変性は、高齢者に多く見られる網膜、脈絡膜の病気で、早期発見と適切な治療が非常に重要です。加齢黄斑変性の症状や進行度には個人差があります。異常を感じた場合や症状が気になる方は、ご相談ください。